元採用担当者が語る外資系消費財メーカーへの転職

キャリアアップの1つの方向性として外資メーカーを考える人も多いのではないだろうか。

私は前職で外資系消費財メーカーのマーケティング部門に約5年間勤めていた。また、その際にマーケティング部門の中途採用にも従事していた。その経験から、外資メーカーへの転職を目指す方へ外資メーカーでの仕事やキャリア、転職者にはどのような人が多かったかをまとめていきたい。

外資メーカーには様々な職種があるが、今回は特に経営に必要なスキルを磨くことができ、私自身も在籍していたマーケティング部門中心のお話をさせていただこうと思う。

外資消費財メーカーとは

外資系消費財メーカーには様々な会社があるが、有名なところでは以下の5社だろう。どこの企業も職種別採用を行っており、マーケティング・セールス・ファイナンスなど入社時に決定し、その道のプロとしてキャリアを積み上げていく。

日系の消費財メーカーでは多くが総合職採用となっており、マーケティングができるとは限らないが、その点外資メーカーはマーケティングを希望する方にとっては配属リスクが非常に少ないといえる

 

P&G

誰もが一度は商品を使ったことがあるであろう、世界最大の消費財メーカー。特に同社のマーケティング部門は世界最強との評価をされており、MBAのケースなどに同社のマーケティング事例は非常に多く取り上げられている。

https://jp.pg.com/

 

ユニリーバ

約190カ国にブランドを展開している、世界最大規模の消費財メーカー。日用雑貨だけでなく、食品ブランドまで有する欧州系の消費財メーカー。

https://www.unilever.co.jp/

 

ロレアル

世界150カ国でビジネスを展開する世界一の化粧品会社。既成概念にとらわれない発想と分析力で業界をリードし、「美」を通じてお客様の人生を豊かにすることを使命としている。

http://www.nihon-loreal.jp/

 

ネスレ

全世界191か国で事業を展開する世界最大の食品メーカー。ネスカフェアンバサダーやキットカットのユニークなマーケティング手法で新しい市場を築き続けている。

https://www.nestle.co.jp/

 

マース

世界最大規模の食品メーカーであり、チョコレートやペット用品、ドリンク製品、リグレーガム&コンフェクションズ、シンビオサイエンスの6つの事業領域で事業を展開している。

https://www.mars.com/japan/ja/home

外資メーカーにおけるマーケティング部門の仕事

マーケティング部門の仕事に関しては大きく2つにわけられる。それが①ブランドビルディングと②ブランド経営である。

ブランドビルディングとは、ブランディング・マーケティング活動を通してブランドを作ること、そしてブランド経営とはブランドの経営者としてチームをリードし、ブランドの売上・利益目標を作っていくことである。

もちろん例外の企業もあるが、ブランド別経営を行っている外資メーカーではマーケティング担当者が担当ブランドの中心となってビジネスを行っていくことが多い。そのため会社からリソースをもらい、そのリソースの中で目標数字を作っていく、いわば経営者としての立ち位置で日々の仕事を行っていくようなイメージである。

 

1つの商品を作るためには非常に多くの人とコラボレーションをして作っていかなければならない。例えば、新しい洗剤を開発し世の中に出していくためにはリサーチ部隊と一緒に消費者や市場の理解を行い、製品開発の方向性を策定しなければならない。そのリサーチ結果を元にして研究開発(R&D)と製品開発を進めていく。製品開発の目途が見えてきたら生産管理チームと原料調達や工場でのラインテスト(または新工場の設立)などを行い、本生産に向けた準備を整えなければならない。それと並行してファイナンスとともにプロジェクト全体のファイナンシャルを見て投資すべきプロジェクトにしていかなければならない。そして、どんなブランドにしていくのか、詳細なマーケティングプランを練り、営業部隊と連動して商品の販促や卸・小売店への営業もしていかなければならない。もちろん、そのプランニングの最中に市場環境の変化や競合状況の変化も当然のように起こるので予めそれらを想定したプランニングをすることも大切である。

これらをマーケティン部門がリーダーとしてプロジェクトを引っ張っていかなければならない。

ざっと書き綴ったが、何をお伝えしたかったかといえばマーケティン部門はただマーケティングプランを練ることだけが仕事ではないということである。このように経営者としてブランドを育て、ビジネスを伸ばしていくポジションは外資メーカーのマーケティング部門以外ないのではないかと思う。ブランド経営の中心として裁量権があり、それに応じた責任も多い。これほどまでに経営者としての経験値を詰める環境はないのではないか。

私自身も外資メーカーでマーケティングに約5年従事した後に起業をし、会社経営を行っているが、その5年間の経験が非常に生きていると感じる。

外資メーカーでのキャリア

特にマーケティングでのキャリアの話になるが、以下のようなキャリアパスがある(()内はあくまで目安である)。

  • アシスタントブランドマネージャー(~6年)
  • ブランドマネージャー(4年~)
  • アソシエイトディレクター(8年~)
  • ブランドディレクター(12年~)
  • ジェネラルマネージャー(16年~)

外資メーカーの日本支社に転職をしても海外勤務の可能性は非常に高い。事実世界最高のマーケティングカンパニーとして称されるP&Gは入社1年目からアジア本部であるシンガポールへの海外勤務の例があるなど積極的な人材輩出を行っている。

 

英語はよく使うのかという質問を受けるが、英語は多く使う。社内資料は100%英語、メールは日系の外部業者とのやり取りを除けばほぼ100%が英語、会話は日本人同士なら日本語で会議をするが、大きな会議だと日本人以外がいることが多いので必然的に英語となる。

 

外資メーカーに転職し、ブランドマネージャーとなればその次の転職先も非常に好待遇のポジションから声がかかることが多い。私自身は起業を志していたため、あまり真剣に話は聞かなかったが、当時20代後半だった私に対して年収1,500万円~2,000万円付近のオファーも届くことは少なくなかった。

外資メーカーに多い転職のバックグラウンド

これも聞かれることが多いのでまとめてきたいと思う。

外資メーカーのマーケティング部門への転職者のバックグラウンドは非常にさまざまであるが、マーケティング経験者は非常に少なかった。私が在籍していた頃にマーケティング部門に転職をしてきた方々のバックグランドをいくつかご紹介しよう。

  • 日系化学メーカー 営業
  • 財閥系総合商社 総合職
  • 外資系広告代理店 アカウントエグゼキュティブ
  • 日系自動車メーカー 企画
  • ITベンチャー 営業
  • 出版会社 企画

本当にバラバラである。他にもたくさんいらっしゃるのだが、マーケティングを前職で行っていた方は全体の2割もいなかった。

また語学力に関してもピンキリである。TOEIC英語はまぁまぁできるが、ライティング・スピーキング・リスニングが全くできずに最初の頃は社内英語トレーニングを頑張っている人もいれば、ネイティブ並みの流暢な英語を最初から喋れる方もいた。ただ、総じて英語力はそこまで高くない方が転職者では多い印象である。

外資メーカーに転職するには

では外資メーカーのマーケティング部門にはどのような方が入社しているのか。企業機密な部分もあるのですべてをここで語ることはできないが、大きくは2つである。

  • リーダーシップ
  • ロジカルシンキング

逆を言うと、多くの方が気にされる前職でのマーケティング経験や語学力に関しては重要視していない。

先に申し上げた通り、マーケティングはブランドの経営者としてチームをリードし数字を作ることが求められる。そのためには高いリーダーシップ能力が必要となってくる。

また、マーケティングは答えがない中で様々なマーケティングデータを解析しながら、最も確率の高そうな施策を作り上げていかなければならない。そのためには、データを基にして仮説を構築し、それを確かめつつチームをリードしながら施策を作りこめる高いロジカルシンキング能力が必要である。

面談担当者はこの2点を意識して、面談を行っている。

 

 

いかがだっただろうか。

もっと知りたい部分などをコメントいただければ随時ご紹介していこうと思う。

 

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