コンサルティングへの転職は起業・経営者の近道か?

「将来起業をしたいのであればコンサルティング企業に就職をするのがいい」という話をよく聞く。今回は、コンサルティング企業に就職後に起業をする際のメリットをまとめていきたいと思う。この記事を書くにあたって、外資系コンサルティング企業のマッキンゼー・ボストンコンサルティング・デロイトトーマツコンサルティングを卒業して起業をした3名にインタビューを行い、そのインタビューから出てきたメリットをまとめている。ちなみに、今回デメリットがない理由については、インタビューの中からデメリットらしいデメリットがでなかったからである(それもメリットであるが)。

そもそも起業・経営=コンサルティング企業はなぜ言われるのか

よく起業・経営=コンサルティング企業といわれるのはいくつか理由がある。

経営層と一緒に働く機会が多い

経営コンサルタントはクライアント企業の経営層と働き、クライアントが持つ課題を特定し、解決をしていくことが仕事である。その仕事を行うためにはクライアント企業の経営者の立場に立ってのシンキングやコミュニケーションを行っていかなければならない。

クライアント企業の経営者や歴戦の戦士である上司からのフィードバックを受けながら働くので、経営者としての考えや見方が磨かれていく。事業会社に就職をすると最初の頃は部署の仕事だけを行うことになるので、会社経営の全体感を意識することは非常に少ないが、コンサルタントは常に会社経営のことを考えていくことになるので、知識や経験をつけるという部分では非常にいい環境である。

経営課題を解決することが仕事

担当するプロジェクトにもよりけりではあるが、コンサルタントは経営に対する課題を解決する仕事を行う。そのために、様々な業界や業態の会社のサクセスケースをインプットしている。コンサルタントが価値を持つ瞬間の1つはクライアント企業が知らなければならないことだが知らないことを伝えることである。そのためには膨大な経営資料を読み解き、分析し、様々なサクセスケースと照らし合わせながらクライアント企業にとってベストなソリューションを提供する。この一連のサイクルを何回も繰り返すことによって経営知識が積み重なっていく。

コンサルティング出身の経営者が目立つ

有名な経営者のバックグラウンドを調べてみるとコンサルティング出身者だったということが非常に多い。一概にコンサルティング企業出身だからということは言えないが、素晴らしい経営者を輩出する可能性が高いのは事実であろう。

大前研一氏

株式会社ビジネス・ブレークスルー 代表取締役社長 

 

職歴: 

  • 日立製作所 
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー

中途でマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。以来、ディレクター、日本支社長などを歴任しマッキンゼー日本において大きな影響をもたらす。1994年にマッキンゼー・アンド・カンパニーを退職後、一新塾を設立。1998年にビジネス・ブレークスルーを設立、代表に就任。

南場智子氏 

株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 

 

職歴: 

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー 

1986年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社、1996年マッキンゼーでパートナーに就任。1999年同社を退社してディー・エヌ・エーを設立、代表取締役社長に就任。2017年、代表取締役会長に就任。 

三枝匡氏

株式会社ミスミ 代表取締役社長・CEO 

 

職歴: 

  • 三井石油化学
  • ボストン・コンサルティング 

三井石油化学を経てボストン・コンサルティングに入社。30代から経営の実践に転じ、起業再生やベンチャー投資など三社の代表取締役を歴任。

松本恭攝氏

ラクスル株式会社 CEO

 

職歴: 

  • A.T.カーニー

大学卒業後、外資系コンサルティング会社のA.T.カーニーに入社。クライアント企業のコスト削減プロジェクトに従事する中で、印刷費が最もコスト削減率が高いことに気付き、印刷業界に興味を持つ。インターネットの力で印刷業界の仕組みを変えるべく2009年9月にラクスル株式会社を設立。

 

起業をする際のコンサルティング企業に行くことのメリット

開業資金

コンサルティング企業は給与水準が高いので、起業初期の自己資本のための貯金も貯めやすい。また、コンサルティング企業出身であると信用が比較的担保されやすくDebtでの資金調達や、Equityでの資金調達も比較的行いやすい。同じコンサルティング企業出身の起業家・経営者からの紹介もしていただけることも多いようである。

初期のキャッシュ作りがしやすい

コンサルティング企業出身者には、まだ開業当初のキャッシュが不安なときにフリーコンサルタントとしてキャッシュを稼ぐという選択肢がある。フリーコンサルの詳細に関してはこちらの記事を参考にしてもらいたい。

コンサルティング企業出身の人はこのフリーコンサルティングサービスを利用することで、創業当初にはありがたいキャッシュが入ってくる。もちろんコンサルティング企業出身者でなくともフリーコンサルティング案件はあるが、高単価な案件はよりコンサルティング企業出身者に集まる傾向がある。週2日はフリーコンサルティング、週3日は起業準備という形でフリーコンサルティング案件を行っても80万程度/月の売上を作れる案件もある。コンサルティング企業出身の経営者は売上げが不安定になりやすい初期に、このような案件を受けつつ自社サービスの開発を進めていくことが多いようだ。

資料作りのセンスが上がる

起業初期はプロダクトがまだないことが多いので、会社のビジョンや事業ポテンシャルを資料ベースで見せていき、資金調達やパートナー、メンバー集めを行っていかなければならない。そのために、資料作りというのは非常に創業初期には大事なスキルとなってくる。同じようなビジネスプランを考えていても、資料の作り方次第で見え方が大きく変わってくる。コンサルタントは資料作りを徹底的に磨かれる。どうしたらクライアントに伝わる資料にすることができるか、複雑なものをどのようにわかりやすく資料に落とし込めるか。芸術といってもいいほどの資料の作成スキルを磨くことになる。そのスキルは創業当初には非常に役に立つ。

ネットワークを築きやすい

同じコンサルティング企業出身で起業をしていたり、経営者になっている方が多くネットワークを築きやすい。その繋がりがビジネスや悩んだ時の頼もしい相談相手になることが多い。また、創業時に一番大事になってくるのはいかに優秀なメンバーを集めるかである。優秀なメンバーが集まるかどうかは経営者の力によるところが大きいが、コンサルティング会社には比較的優秀な人が集まるので、創業当初で転職エージェントを使った採用ができない場合に声をかけられるパイプラインが多いことは非常に大切である。実際にコンサルティング企業出身で創業をしている方は創業メンバーに同じ会社のメンバーがいることが多い印象である。

課題を見つけやすくなる

日々、企業の経営課題を発見し、様々な調査・分析手法を用いてソリューションを提供するコンサルティング経験があるので、自社のビジネスモデルや組織などの課題を比較的発見しやすい。そのために、もう後戻りができない致命的なことになる前に対処をできることが多い。様々な業界のサクセスケースを知り、ベンチマークを持っているコンサルタントであるからこその強みであるだろう。

 

 

いかがだっただろうか。

もっと知りたい部分などをコメントいただければ随時ご紹介していこうと思う。

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